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山尾建築設計事務所
C 01 02 03
 コラム
C 02国産木材と自然環境

以前、NHKテレビや一部の新聞で見たり聞いたりしたのですが、地球規模の環境はもとより、国内の自然環境もいろいろな脅威にさらされているようです。(2001年4月)

ここ十数年、木材の輸入が年々増え続けていますが、以前は合板の材料として東南アジア等からの南洋材(ラワン材等)の輸入が多く、これは「熱帯雨林の破壊」という分かりやすい形で現在も環境破壊を引き起こしてることは多くの人が知るところです。 最近では、北米等からの輸入量も増加し、結果的に国内林業の衰退を招いて、それが国内の自然環境に影響を与えているのだそうです。

  • 国産木材の需要が減り、国内の林業が衰退する。
     
           
  • 人工的に植林された杉やヒノキ等の森が放置され、間伐等の手入れが行なわれなくなる。
    (昭和40年代に多くの自然林が伐採され、建築資材として杉やヒノキが植えられた)
     
           
  • 森が茂り過ぎて地面に日光が届かなくなり、地面に生える「下草」が育たない。
     
           
  • 地面の土がむき出しになり、山の「保水力」が無くなる。
     
           
  • 降った雨が土砂と共に川へ流れ出る。川の水量が一定に保たれない。
    • 「保水力」が無くなった森は大雨の時は川の水量が急激に増え、雨の少ない時期は川の水量が減る。(保水力のある森は、土中に大量の雨を貯え徐々に川へ流れ出るので、年間を通して川の水量が一定に保たれる)

       

  • 川の水量の急激な変化や、土砂の流出は、川の生態系を壊すことになる。 土砂は海へ流れ出る事により、川だけでなく、海沿岸部の生態系をも破壊する。

ということが連鎖的に起こるそうなのです。 日本最後の清流といわれる四国「四万十川」でも同様の事が起こっており、川底に泥が溜って魚の餌となるコケが生えなくなったり、夏場に川の水量が減る事で水温が上昇し、せっかく生まれた鮎の稚魚が死んでしまうことが頻繁に起こるようになったそうなのです。

国産木材がコスト面で輸入木材に負けている、というのは林業関係者の方々にがんばって頂く他ないのですが、植林された山の健康を取り戻すには、国内の林業がもっと活性化しなければいけないのだそうです。 山の健康が改善されれば、川や海の環境改善へも貢献できる、つまり「国産木材を使う事が国内の環境問題に貢献する」という事なので、もっと積極的に国産木材を使う事を考えてみてもいいのでは、と思いました。 毎年春の「花粉症」は今や社会問題化していますが、放置された人工植林の森が大きな原因となっているわけですから。

また、多くの大工さんたちは、いろいろな意味で「木造建築には同じ環境で育った木を使うのが一番良い」と考えておられるようです。 伐られた後も「木は生きている」ので、育った環境と同じ方が長い目で見れば木も居心地が良い、と言う事なのだと思います。

(2001.04.29)

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